tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

黒田総裁の胸の内は?

2014年04月07日 12時58分05秒 | 経済
黒田総裁の胸の内は?
 経済だけでない諸々の問題も孕みながら、前回も書きましたように、日本経済は新しい展開を模索しています。その力の源泉である企業も新卒採用を大幅に増やす企業が続出しているとの報道がありますように、経営に積極さを増しているようです。

 その背後にあるのは、円高の恐れが薄らいでいるという認識ではないでしょうか。
 きっかけになったのは、黒田日銀総裁による日銀の政策転換でインフレ2パーセントを目指すという目標を提示しての超金融緩和、それによる20円幅の円安の実現だったことは、すでに異論のない所でしょう。

 問題は此の異次元といわれる金融緩和による円安によって生じたウィンドフォールプロフィットを日本経済がどう消化するかでした。
 これまでのところ、日本経済は円安への対応を誤りなくやってきているように思います。

 予期せぬ金が入ったと浮かれて使ってしまう可能性もあります(諺に例えれば「悪銭身につかず」)。しかしそうはならなかったようです。折角入った金だ、ムダ使いせず将来のために生かそう(諺に例えれば「奇貨居くべし」)としているように感じられます。

 経済活動をする主体は、消費者と労使、そして政策当局が舵取りをするということになりますが、はしゃいでいる政府が「賃上げをしましょう」などと言いましたが、労使は極めて冷静に対応しています。消費者の行動も明るさは増しましたが、節度あるものです。

 もともと日本のような大きな経済は、そう急には動けませんが、経済成長は現状の1パーセント台から、徐々に2パーセント台へ(実質)、技術開発も含めてバランスが回復すれば、恐らく3パーセント台も可能でしょう。

 現状、消費も、賃金水準も、1パーセントの経済成長にほぼ対応したものになっているように思いますが、投資(固定資本形成)だけが4パーセント前後の伸びを示しているようです。
 消費水準、賃金水準といった経常経済活動に対応したものは経済成長見合いで、円安による思わざる収入は無駄遣いせず投資に振り向けるというのはまさに賢明な対応(奇貨居くべし)ではないでしょうか。

 さて、そうした中で、今日、明日、日銀の政策決定会合が行われます。おそらく国際投機資本の手の内も良くご存じの黒田総裁、2パーセントのインフレ目標もにらみながらの対応という事でしょうか。

 折しも、経常収支の赤字が史上最高といった信号も見えています。アメリカがテーパリングに苦しむような状況は日本経済には起こることは多分ないでしょうが、株式・金融市場は神経質に反応するでしょう。
 そうした反応をしり目に、マネー経済学の一枚上手を行くような日銀の政策を期待したいものです。


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